「当たり障りのない答えが返ってきた」で止まる方がほとんどです。原因はだいたい同じで、聞き方が短すぎるためです。ただ、それ以前に決めるべきことがあります。
最初の1業務を、この4条件で選ぶ
- 一人でできる(他部署の合意が要らない)
- 一業務だけ(全社の仕組みを変えない)
- 毎日か毎週、必ず発生する(月1回の仕事だと、慣れる前に忘れます)
- 失敗しても社外に出ない(社内文書であること)
この4つを満たす仕事を1つだけ選んでください。全社導入から入る会社は、ほぼ止まります。
製造業でよく最初に選ばれる業務
- 会議の議事録づくり(録音の文字起こし→要点整理)
- 見積もり返信メールの下書き(金額と納期は人が入れる)
- 作業手順書の清書(ベテランの説明を文章にする)
- 求人原稿・社内通達の下書き
- 取引先へのお詫び・お断りの文面のたたき台
逆に、最初に選ばないほうがよいのは、原価計算・在庫の判断・図面の解釈など「間違えたら金額が動く」仕事です。できないわけではありませんが、順番として後です。
指示文は、この4点を書けば急に変わります
- 前提:誰が、どんな会社で、誰に向けて書くのか
- 条件:字数、口調、絶対に入れる内容
- 出力形式:メール本文か、箇条書きか、表か
- やってはいけないこと:金額を勝手に決めない、分からない箇所は「要確認」と書く
特に4番目が効きます。「分からないときは、それらしい答えを作らずに『要確認』と書いて」と入れておくだけで、使えるかどうかが変わります。
最初の30日の進め方
- 同じ人が、同じ業務で、週1回30分だけ触る時間を決める
- うまくいった指示文を、そのままテキストファイルに貯める(これが会社に残る資産です)
- 30日後に、その業務が誰かの残業から外れたかどうかで判断する
効果の測り方は「時間が何分減ったか」より、「その仕事が、夜や土曜からいなくなったか」で見てください。社内の納得感がまるで違います。
入れてよい情報・いけない情報(先にA4一枚に)
ご質問にあった図面と原価の件です。始める前に、次の内容を一枚にして配ってください。ルールがないと、社員は怖くて使いません。逆に、ルールがないまま使われるほうが危険です。
- 入れない:図面そのもの、原価・単価、取引先名、個人情報、契約書の全文
- 入れてよい:社内向けの文章、一般的な技術の質問、自分が書いた文の推敲
- 共通:AIの出力をそのまま社外へ出さない。最終責任は必ず人が持つ
- 会社として契約した有料プランを使う(無料版と有料版で、入力の扱いが異なる場合があります。契約時に条件を確認してください)
費用と、外部に頼むかどうか
まずは有料プラン月20ドル前後を2〜3人分で十分です。研修を先に入れる必要はありません。研修は、社内に「これで楽になった」という実例が1つできてからのほうが、確実に定着します。
社長ご自身がもう少し触るべきか、という点については——最初の1ヶ月だけは、ぜひご自身で触ってみてください。社長が使えないものは、社員も使いません。ただし、選ぶ業務はご自身の仕事にしてください。他人の仕事を対象にすると、押し付けになります。